行橋市の隣町・京都郡みやこ町犀川続命院に平成筑豊鉄道「東犀川三四郎駅」がありますが、皆さんはこの駅がなぜ「三四郎駅」というのかご存知でしょうか?

これは1908年(明治41年)に朝日新聞に掲載された夏目漱石の長編小説「三四郎」のモデルとされた小宮豊隆(ドイツ文学者)が当地の出身で、これにちなんだ駅名です。三四郎は九州の田舎(福岡県の豊前側)から出てきた小川三四郎が、都会の様々な人との交流から得るさなざまな経験や恋愛事情が描かれている長編小説で「それから」「門」と並んで夏目漱石前期三部作の一つとして数えられています。三四郎や周囲の人々を通じて当時の日本を批評する側面を持った三人称小説ですが視点は三四郎に寄り添い、時には三四郎の内面までにも入り込まれた描写がされています。

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簡単なあらすじは福岡県京都郡真崎村(架空の村)で生まれ育ち、熊本県の高等学校を卒業した三四郎が上京途中に京都で同乗した女性と名古屋で宿泊する際に間違って同室になります。三四郎は気を使ったつもりだが別れ際に女性に「あなたはよっぽど度胸のない方ですね」と言われ気落ちする。東京帝国大学入学のための上京だったが東京は今までの自分の常識とは全く異なった異次元の世界で三四郎は東京で出会った様々な人々や出来事に飲み込まれていく。ある時、三四郎は自分は三つの世界に囲まれていることを整理していく。一つ目は母親のいる九州の田舎 二つ目は野々宮や広田先生がいる学問の世界 三つめは華美溢れる世界 三四郎は都会的な魅力を持つ美禰子のいる三つめの世界に心を惹かれ美禰子に恋をしますが自分の気持ちを美禰子にうまく伝えることができず悩んでいるうちに美禰子は兄の友人と結婚してしまいます。これは明治末期の青年の成長を描いた作品ですが当時は主人公のように地方から立身出世を目指し上京した若者が多数いました。この主人公の目を通し当時の日露戦争後の日本の様子が鋭く描かれています。

 

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